**No.16**結局一睡も出来ずに夜が明けた。頭の中は二人のことでいっぱいだった。 玄関を出る時、二人にどんな顔をして会おうかという考えが浮かんだ。 夜中どっちを選ぶのかという事しか考えてなかった。 どうしよう・・・ その時玄関の向こうから騒がしい声が聞こえた。 朝からケンカしてる・・・・ 嫌だなぁ・・・ しかも家の前だし・・・ そう考えながら、ゆっくり玄関のドアを押した。 その瞬間ケンカをしている二人の男の姿が見えた。 あたしはびっくりした。 「なっ・・・ふ・・・二人ともなにしてんの?!」 ケンカをしていたのは駿と裕二だった。 「あっ!!」と駿。 「千紗!!」と裕二。 「千紗!!こいつがお前を裏切ったやつだろ!!」 「う・・うん・・・あの・・・」 「こいつが千沙の家の前で待ってたから、なにしてるんだって言ったらちょ っとケンカになっちまって・・それでこいつが千沙を裏切ったやつだってわかったんだ。」 「あの・・・裕二・・・」 「どうした?」 「・・・駿が裏切ったっていうの・・・」 「それがどうしたんだよ。」 「あのね・・・駿が・・あたしを裏切ったっていうの・・・あれ・・・あたしのね・・誤 解・・だったみたい・・・」 「なっ・・」 「あの!・・・ちょっと聞いて・・」裕二が反論しようとするのを止めた。 「あれね・・・あたしと由梨が・・同じ人を好きになって起きた事だって言ったでしょ? それが・・・その好きになた人が駿なの・・・」 「!!こいつ?!」 「・・うん・・。駿は…あたしのために無理に由梨と付き合って、イジメをやめる ように説得してくれてたの・・・それであたしが勘違いして・・・」 「・・・」裕二は何も言わなかった。 「・・・だから裕二も・・誤解しないで?」 「そっか・・・」 「それで・・・イジメも終わって由梨と別れられたから、昨日あたしに会いに来てくれたの・・・ それで・・・その時・・・・」 「俺は千紗が好きだって言ったんだ。」駿が言った。 「てめぇふざけんなよ!!お前は千沙になにもしてやれなかったじゃねーか!! 千紗が一番辛かった時お前は千沙の傍にいてやれたのか?」 「裕二!聞いて!!それで・・・裕二も好きだって言ってくれたでしょ? あたし・・・まだどっちも選べないの・・・ 二人が嫌いってゆうわけじゃないんだけど・・・二人ともあたしにとって大切な 人だから・・・選んだり出来ない・・・」 「・・・俺は千紗の答えがでるまでいつまでも待つ。」駿が言った。 「俺もいつまでも待つよ。」裕二も言った。 「ゴメンね・・二人とも・・・ありがとう・・・」 **続く** ジャンル別一覧
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